阪大大学院の理学部を卒業後、上場企業で研究職に就きながらAV女優となった藤かんな。
今までここまでリアルに描かれたことがなかったAV業界と自らの境遇や逆境を赤裸々に描ききり、
初の書籍『はだかの白鳥』(飛鳥新社)を完成させた。
2024年5月、写真集『白鳥、翔ぶ』(徳間書店)と2冊同時発売。
今までここまでリアルに描かれたことがなかったAV業界と自らの境遇や逆境を赤裸々に描ききり、
初の書籍『はだかの白鳥』(飛鳥新社)を完成させた。
2024年5月、写真集『白鳥、翔ぶ』(徳間書店)と2冊同時発売。
まず、すごい文章がしっかりしてる。最初、それに驚いた。そして読んでみたら「何これ。むっちゃオモロいやん」と思った。
正直言うと、はじめは好奇心で読み始めたんや。大阪大学院を出て、普通の会社に入って、そこで研究者としてずっと働いてきた。それで30歳ぐらいでAV女優になるって、相当変わってるよね。そういう意味で、一体なんでAV女優になったんかなと思ったんや。別にAV女優を貶めるわけじゃないけど、普通はあまり選ばない仕事だと思うんでね。
AV女優ってどうやってなるのか、みんなあんまり知らんよね。普通の会社やったら入社試験受ける。あるいは作家やったら小説の新人賞に応募したりする。けどよう考えてみたら、AV女優ってどうやってなるのか、僕も知らんかった。彼女もAV女優になろうと決めて、何も知らないなりに、とりあえずAVプロダクションに面接に行ってって・・・・・・。すごいバイタリティやなと思ったね。
この本で面白いのは、随所で「なんでこんなことやってるんやろう」って彼女が自問自答しているところなんや。「ほんまにAVに行ってええんかな」って行きつ戻りつしてる。それがリアルやねん。
第二章では、いよいよAVの最初の撮影があるんや。僕はAVをたまに見たりはしてるけど、実際にどんな風に撮影が行われてるのかとかは全然知らなかった。だから「へー、なるほど。そんなことやってんのか。ほぇー、面白いなあ」と思いながら読んだ。
そして最後にね・・・・・・。これ、結構、感動するんですよね。 「おいおい。最後こんなに感動させてええんかい」というぐらい。この本を読み終わった後「これ、文学になってるやん」と、非常に驚いた。これ売れるんちゃう?
正直言うと、はじめは好奇心で読み始めたんや。大阪大学院を出て、普通の会社に入って、そこで研究者としてずっと働いてきた。それで30歳ぐらいでAV女優になるって、相当変わってるよね。そういう意味で、一体なんでAV女優になったんかなと思ったんや。別にAV女優を貶めるわけじゃないけど、普通はあまり選ばない仕事だと思うんでね。
AV女優ってどうやってなるのか、みんなあんまり知らんよね。普通の会社やったら入社試験受ける。あるいは作家やったら小説の新人賞に応募したりする。けどよう考えてみたら、AV女優ってどうやってなるのか、僕も知らんかった。彼女もAV女優になろうと決めて、何も知らないなりに、とりあえずAVプロダクションに面接に行ってって・・・・・・。すごいバイタリティやなと思ったね。
この本で面白いのは、随所で「なんでこんなことやってるんやろう」って彼女が自問自答しているところなんや。「ほんまにAVに行ってええんかな」って行きつ戻りつしてる。それがリアルやねん。
第二章では、いよいよAVの最初の撮影があるんや。僕はAVをたまに見たりはしてるけど、実際にどんな風に撮影が行われてるのかとかは全然知らなかった。だから「へー、なるほど。そんなことやってんのか。ほぇー、面白いなあ」と思いながら読んだ。
そして最後にね・・・・・・。これ、結構、感動するんですよね。 「おいおい。最後こんなに感動させてええんかい」というぐらい。この本を読み終わった後「これ、文学になってるやん」と、非常に驚いた。これ売れるんちゃう?
百田尚樹(ひゃくた なおき)
作家。著書が11年連続100万部突破の記録を持つ日本を代表する小説家。代表作『永遠の0』『海賊とよばれた男』など。現在、日本保守党の代表として活動中。
作家。著書が11年連続100万部突破の記録を持つ日本を代表する小説家。代表作『永遠の0』『海賊とよばれた男』など。現在、日本保守党の代表として活動中。
単純なノンフィクションでなくて、文学になってるなと思いました。大袈裟に書いてないけど、共感ができる。人間の複雑なところって、いくらでも大袈裟に書けるんですよ。でも本当に自分の言葉で書いてあって、めちゃめちゃ凄くて良い本だなと思いました。小説として凄い。
自叙伝みたいなのは、今までも有名なAV女優が書いてたりするけど、それよりも、1つの作品としてのレベルが高くて、文学になってる。藤かんなさんは自分の中に空いてる穴を、埋められずに生きてきた。そことを向き合わなきゃいけない性格、というか、そういう運命だった。その葛藤が本当に凄く良く書けてました。本当によくここまで書けるなって思いましたね。
みんな、心に空いた穴はある。けど、その部分を何かで埋めて生きてる。綺麗な格好して、それっぽいまともなこと喋って、そのまま生きてくっていうのが、99%の人。でも残りの1%の人はそこを誤魔化すと、無理が生じるんです。自分の穴と向き合わないで生きている人たちからしたら、「なんでまともな人生を歩んでるのに、そんなことするの?」って思うかもしれない。でも、かんなさんにとっては、そこはもの凄く切実で、その切実さは親友でも親でも分からないところ。かんなさんにしか分からないところ。本当に人間を描けてるっていう感じでした。
結局、自分の命とか、自分の人生を燃やして生きないと、辛いんだなって思った。だからかんなさんは、ずっとそこと格闘してた。中学生の時バレエで、親が泣くぐらい自分を追い込んだこととかね。かんなさんは見た目の柔らかさとかで、外見からはそんな部分は分かんない。
自分を認めてほしいとか、必要とされたいっていうのは、人間の本質。そこは凄い大事な部分で、まともな会社に入っちゃったからこそ、葛藤があった。ほとんどの人はそういう部分があっても、良い感じに蓋して大人になってくんです。ただ自分の中にもそういう部分があると思いながら生きてるから、そういう人たちがこの本を読んだ時、無茶苦茶刺さると思う。社会という仮面を被って、まともに生きてる人にとっては特に。小説や文学が担うべき、多くの人が言葉にできないけど抱いてるものを、すごい描けてるなぁと思いました。
自叙伝みたいなのは、今までも有名なAV女優が書いてたりするけど、それよりも、1つの作品としてのレベルが高くて、文学になってる。藤かんなさんは自分の中に空いてる穴を、埋められずに生きてきた。そことを向き合わなきゃいけない性格、というか、そういう運命だった。その葛藤が本当に凄く良く書けてました。本当によくここまで書けるなって思いましたね。
みんな、心に空いた穴はある。けど、その部分を何かで埋めて生きてる。綺麗な格好して、それっぽいまともなこと喋って、そのまま生きてくっていうのが、99%の人。でも残りの1%の人はそこを誤魔化すと、無理が生じるんです。自分の穴と向き合わないで生きている人たちからしたら、「なんでまともな人生を歩んでるのに、そんなことするの?」って思うかもしれない。でも、かんなさんにとっては、そこはもの凄く切実で、その切実さは親友でも親でも分からないところ。かんなさんにしか分からないところ。本当に人間を描けてるっていう感じでした。
結局、自分の命とか、自分の人生を燃やして生きないと、辛いんだなって思った。だからかんなさんは、ずっとそこと格闘してた。中学生の時バレエで、親が泣くぐらい自分を追い込んだこととかね。かんなさんは見た目の柔らかさとかで、外見からはそんな部分は分かんない。
自分を認めてほしいとか、必要とされたいっていうのは、人間の本質。そこは凄い大事な部分で、まともな会社に入っちゃったからこそ、葛藤があった。ほとんどの人はそういう部分があっても、良い感じに蓋して大人になってくんです。ただ自分の中にもそういう部分があると思いながら生きてるから、そういう人たちがこの本を読んだ時、無茶苦茶刺さると思う。社会という仮面を被って、まともに生きてる人にとっては特に。小説や文学が担うべき、多くの人が言葉にできないけど抱いてるものを、すごい描けてるなぁと思いました。
箕輪厚介(みのわ こうすけ)
幻冬舎の編集者。堀江貴文、見城徹、松浦勝人、鈴木おさむ、落合陽一、ガーシーなどの本を制作。自身の著書『死ぬこと以外かすり傷』は12万部を突破。
幻冬舎の編集者。堀江貴文、見城徹、松浦勝人、鈴木おさむ、落合陽一、ガーシーなどの本を制作。自身の著書『死ぬこと以外かすり傷』は12万部を突破。
僕は長年(58年)、編集者をやっているんで色んな人の文章をたくさん読んできました。
だけど、かんなさんの文章に僕は感動した! 素晴らしい才能で、しかも美しい。
新しい物書きが誕生する予感。女優として同時並行に物書きとして成功してほしいね。
成功するんじゃないですか。
この本は、この業界の内幕をバラすという目的で書いたというようなもんじゃないわけですよ。 そういう本は多分ある。これからもあるかもしれないし、今までもあったかもしれない。だけど、そういうもんじゃないんですよ、この本は。 そういう興味で読む人も多いと思いますけど、読んだら何か感じるものがあるんじゃないかな。特に女性たちは。
この本は、この業界の内幕をバラすという目的で書いたというようなもんじゃないわけですよ。 そういう本は多分ある。これからもあるかもしれないし、今までもあったかもしれない。だけど、そういうもんじゃないんですよ、この本は。 そういう興味で読む人も多いと思いますけど、読んだら何か感じるものがあるんじゃないかな。特に女性たちは。
花田紀凱(はなだ かずよし)
出版編集者。現在『月刊Hanada』編集長。『週刊文春』の編集長時代には週刊誌売上トップにまで育て上げ、少年犯罪の実名報道やホロコースト報道など常に日本中に問題提起を試み、出版業界の中心的存在。
出版編集者。現在『月刊Hanada』編集長。『週刊文春』の編集長時代には週刊誌売上トップにまで育て上げ、少年犯罪の実名報道やホロコースト報道など常に日本中に問題提起を試み、出版業界の中心的存在。
第一章 AV界に踏み込む
- 志望動機欄、ちっちゃいな
- 「じゃあ服脱いで」
- 逃げたいと思ったエイトマン
- 五十人に一人の良いおっぱい
- 「藤かんな」誕生
- 誰にも言えない秘密
- 入社当初の野望と過酷な現実
- 面接一社目、「野外プレイ」の話
- 事務所ですれ違った女の子たち
- ナンプラー顔の面接官
- 「いやらしく舌を出して」
- マジックミラー号と心の暗雲
- 本命メーカー『マドンナ』
- 両親のことを思い出していた
- 久々の実家、父の言葉にドキッ
- AV女優になるって決めたのに
- ヌードグラビアとこれまでの人生
- 私は三十歳になろうとしていた
- 初めてのグラビア撮影
- 胸がコンプレックスだった
- 白鳥たちとトウシューズ
- 『週刊ポスト』が発売された
- 自分の好きなもの「セックス」
- セックスに逃げた過去
- プチンと心の灯りが消えた
- AVを頑張らせてください
第二章 AV女優デビュー
- 『マドンナ』と専属契約
- 私の不安は吹き飛んだ
- 撮影まであと一週間やねん!
- 「AVする」日がやってきた
- さあ、私を撮って!
- もっとポジティブな馬鹿に
- 初めてのAV撮影
- あかん、緊張してる
- 人生第二幕、「開膜」
- 「ベロベロ魔人」とのセックス
- 初めてのハメ撮りセックス
- 長い長い一日が終わった
- AV女優になるって、出家だな
- 「ごっくん」の解禁時期
- 初めての3Pとエロ階段
- 初めての「ドラマもの」
- 替えチン男優と赤玉
第三章 AVが会社にバレる
- 「藤かんなさんって知ってますか」
- 人事部の女性からの電話
- 六年半、お世話になりました
- 最終出社日と「退職マニュアル」
- 退職直前で気付いたこと
- 退職届の差し戻し
- 最後の挨拶で流れた涙
- 人生のドラマをエンタメに
- 両親に話せないことが増えていく
第四章 AVがバレエ教室にバレる
- 修羅場が幕を開ける
- 「バレエをAVに使ってほしくない」
- 母との闘いの日々が始まった
- 「そっちの世界」と「こっちの世界」
- AVは精度の高いリトマス試験紙
- SNS炎上、三十九度の熱
- 「あなたは天才やねん」
- 炎上二日目、ポテチがうまい
- 炎上三日目、「日頃の行いやね」
- 炎上四日目、えげつない人たち
- 炎上五日目、謝罪......
- 「俺たちは前に進もう」
第五章 百田尚樹チャンネル出演
- 百田尚樹さんの奥さん
- エンターテイナーとしての迫力
- きついコメントが飛んできた
- 今とっても幸せやで
第六章 上京、それから
- 大阪とも今日でお別れだ
- 人間の究極はエロ
- 母親から突然の連絡
- 両親と一泊二日の鎌倉旅行
- 「あなたが元気で幸せなら、それだけで良い」